Photo :Antoine D’agata/Magnum Photos/AFLO
Issue#02
NO BORDER, NO NATION
世界はインターネットの出現により、ますますグローバル化が進み、ボーダレスな社会へ変容したと言われています。 しかし、現実的には国境線で仕切られた国家が私たちの日常生活にとって大きな単位となっています。2020年は、新 型コロナウイルスの感染拡大を世界規模で経験し、私たちは国家を強く意識したのではないでしょうか? 一方、世界では貧しい国から豊かな国へ多くの人が国境を越えていきます。国際連合児童基金(UNICEF)によると 現在、この地球上には、7億人を超える極度の貧困状態(1日あたり1.90米ドル以下)で暮らしている人がいます。そ の理由は、戦争や紛争による難民、気候変動による生活の脅威や人種差別などによる労働問題など様々な要因が挙げ られます。それらの人々が平穏で安定した暮らしを求めて移動することが「移民問題」として現れてきます。 「NO BORDER, NO NATION」という言葉は、私たちが国家という枠組みから逃れられない事実であることを教えて くれます。そして、ボーダレスな社会であっても国境を超えることは差別や虐待、そして時には虐殺を生み出すこと を知るきっかけとなります。 Issue#02のテーマは「NO BORDER, NO NATION」です。私たちはこのテーマを通して、なくならない人種差別の理 由に目を向け、私たちができることを考えてみたいと思います。

ドーバー海峡を渡る移民たち

肩を落とし、視線を下げて歩く男性たち。その姿からは希望や夢という言葉は見出し難い。この写真が撮影されたのは古くからイギリスへの玄関口として栄えてきたドーバー海峡を望むフランスの古都カレー。現在では、ヨーロッパに渡ってきた難民や移民がイギリスに渡るために集っている。
2015年ダガタはこの街にとどまり、イギリスへの不法入国を望み、大規模仮設キャンプで暮らす人々の後姿を撮り続けた。
仮設住宅で暮らす人々は、戦争で荒廃した地域や紛争地域から来た難民や亡命希望者、経済移民で仕事を求めてこの地に行き着いた者など様々な理由である。
しかし、ここでも悲惨な生活環境は変わらず、そしてイギリス政府ならびにその国民の大多数は、移民の入国を歓迎していない。

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