Photo :Antoine D’agata/Magnum Photos/AFLO
Issue#02
NO BORDER, NO NATION
世界はインターネットの出現により、ますますグローバル化が進み、ボーダレスな社会へ変容したと言われています。 しかし、現実的には国境線で仕切られた国家が私たちの日常生活にとって大きな単位となっています。2020年は、新 型コロナウイルスの感染拡大を世界規模で経験し、私たちは国家を強く意識したのではないでしょうか? 一方、世界では貧しい国から豊かな国へ多くの人が国境を越えていきます。国際連合児童基金(UNICEF)によると 現在、この地球上には、7億人を超える極度の貧困状態(1日あたり1.90米ドル以下)で暮らしている人がいます。そ の理由は、戦争や紛争による難民、気候変動による生活の脅威や人種差別などによる労働問題など様々な要因が挙げ られます。それらの人々が平穏で安定した暮らしを求めて移動することが「移民問題」として現れてきます。 「NO BORDER, NO NATION」という言葉は、私たちが国家という枠組みから逃れられない事実であることを教えて くれます。そして、ボーダレスな社会であっても国境を超えることは差別や虐待、そして時には虐殺を生み出すこと を知るきっかけとなります。 Issue#02のテーマは「NO BORDER, NO NATION」です。私たちはこのテーマを通して、なくならない人種差別の理 由に目を向け、私たちができることを考えてみたいと思います。

メキシコとアメリカの国境

闇が迫る黄昏なのか、闇が明ける暁なのか。空に朱色が混 ざる心象風景を捉えたこの写真は2000年にメキシコとアメリカの国境ババ・カリフォルニア州で撮影したものだ。
国境を超える人々の多くは夜闇にまぎれて命がけで国境線 を超える。特に、この地域はメキシコに蔓延する麻薬や武器 の密輸取引の温床となっており、2010年代以降は治安が悪化。それにより、アメリカとの国境を越えて不法移民が増大し、 社会問題ともなっている。
ダガタはこの場所ですさんだ街並み、売春に手を染める女性、 そして海まで続くアメリカとの国境壁などを撮影している。

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